サッカーキッズの腰痛は危険~腰椎分離~
画像提供:イラストAC
こんにちは!
サッカーファミリーを応援する体作りプロジェクト協会です。
今日はサッカーを頑張るお子さんに起こりがちな怪我についてです。
小学校3年生以降からサッカーを頑張っているお子さんは、怪我をする子の割合が増えていきます。
【怪我の一例】
捻挫・疲労骨折・骨折・成長痛・シンスプリント・踵骨骨端症などなど。
そして、小学生から中学生の頃に怪我とは認識されなくてもその痛みを放置してサッカーを続けてしまうと中学生以降にひどい怪我に繋がる不調があります。
それは、“腰痛”です。
小学生から中学生の間に腰痛になり、腰に不調を抱えてながらサッカーを続けると、ある時から激痛になりサッカーが続けられなくなる子が出てきます。
その時に初めて病院を受診し発覚する病名が、『腰の疲労骨折』またはひどい場合は『腰椎分離症』です。
腰の疲労骨折はまだ早い段階の受診で、更に深刻になった『腰痛分離症』で初めて受診する子も多くいます。
【腰椎分離とは】
・・・衝突などの外傷で起こる通常の骨折とは異なり、骨の同じ場所に度々小さな負荷がかかり続けることにより、骨にひびが入る状態を言います。
運動などをして患部圧力がかかると痛みを感じます。
そして腰痛の原因で、腰椎(腰のあたりの背骨)の後方部に亀裂が入っていることが原因の場合は要注意です。
一度の激しい衝突などの力での骨折だと激痛のためすぐに医療機関を受診しますが、疲労骨折の場合はそこまで痛くないため、受診までに時間がかかるケースも多く腰椎分離症など重症化する場合もあるのです。
背骨の一部に疲労骨折を起こし、初期はひびが入るくらいですが、それが進行期にはひびが広がり、末期には完全に分離(離れた状態)してしまう。
この状態を『腰椎分離症』と言います。
【疲労骨折の治療と経過】
疲労骨折でわかれば休む期間も1か月前後と早く、湿布を貼り安静にして完治が期待できます。
しかし、痛みを我慢しサッカーをやり続けて更に痛みがひどくなってから受診すると、腰椎分離の状態で発見されます。
【腰椎分離の治療と経過】
腰椎分離の場合は、休む期間が3か月~半年(個人の回復の状況により異なります。)かかり、初期はプラスチックのハードコルセットを着用し、湿布を貼る事を併用し経過を観察します。
症状の回復に合わせて、ハードコルセットから布製のソフトコルセットに変えて、この時期になると簡単なサッカーの練習参加や簡単なトレーニングが許可される場合もあります。
【再発の可能性】
サッカーを休んでコルセットをし、湿布を貼り怪我は完治します。
しかし、残念ながらこれだけでは再発をする子が多い現状があります。
再発した時には、更に症状が重くなり中学生や高校生でサッカーを辞める決断をしなくてはならない方もいらっしゃいます。
では、再発させないためにはどうしたら良いのか?
【再発防止のためにできること】
再発防止のために必要なことは、休むことと湿布を貼り経過観察では不十分です。
腰痛・腰の疲労骨折・腰椎分離になってしまう根本的な原因は、
“腰に負担のかかる体の使い方”です。
人の体は、1人1人体の使い方や動きの癖があります。
日常の生活をする中で、猫背・足を組む・頬杖をつく・まっすぐ立っていても膝が内側を向いている・偏平足などなど、人それぞれ様々な体の作りと動かし方の特徴があります。
例えば、偏平足の人を例にとり少し詳しくお話しします。
サッカーのように相手(敵)の動きにより、予測不能な瞬発的な動きをしなくてはいけないスポーツの場合、偏平足の人は内側に足首が傾いている分内側に足をひねり捻挫をしやすい人も多くいます。
そして、1度捻挫をしてしまうと捻挫癖が付き、度々捻挫を繰り返す人もいます。
そして、捻挫については大したひどい怪我ではないので、湿布を貼り対処しながらサッカーを続ける方も多くいます。
しかし、その捻挫癖のある足をかばうために、股関節や腰で“※代償動作”をとらなくてはいけなくなり、サッカーをやる度に足首だけでなく股関節と腰に負担がかかるようになります。
その結果、腰の骨である腰椎に負担がかかり続けてしまい腰椎(背骨)にひびが入り、ひどくなると完全に分離してしまうのです。
この場合、動きの癖で腰よりも股関節に負担のかかる体の動かし方をしている人は、股関節に炎症を起こし股関節に水のたまるお子さんもいます。
このようなことから、ただ休んで湿布を貼ることだけでは根本的な解決はせず、再発の危険を抱えたままです。
【根本的な解決をするには?】
“腰に負担のかかる動きの根本的な改善”が必要になります。
【腰椎分離症で考えられる根本的な原因】
・体幹が上手く使えていない
・股関節の進展ができていない
・腰のある部分を起点に動いている
・肋骨が動いていない などなど
この他にも原因は様々ありますが、今回は一部を抜粋しました。
このようなことが原因になり怪我に繋がる、または大きな怪我をするリスクがあるのです。
このようなことを改善するためにトレーニングメニューを作り、一緒にトレーニングに取り組んでくれる病院に出会えると幸せなのですが、現在日本では少ない現状があります。
そのため、湿布とコルセットだけでの対応となり、完治してもサッカーを再開すると再発する子も多くいる現状があるのです。
腰の不調をただの『腰痛』と捉えずに、早い段階で適切な対応をすることでサッカーを続けることは可能ですし、根本的な動きの改善ができればその後のパフォーマンスの向上は十分見込めます。
そのためにも痛みを放置せず、正しい対応をして欲しいと思います!
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